12日のイーグルス戦で今シーズン初出場し3安打を放った渡辺直人選手ですが、今シーズン開幕1軍で迎えながら未だに出番がありませんでした。ただ辻発彦監督渡辺直人選手を好調だと知りながら敢えて温存したようです。馬場敏史コーチとの会話では「調子がいいのは分かってるよ。でも、最初に使うならやっぱり楽天戦やろ」と語り、渡辺直人選手にとっては古巣であるイーグルス戦との今シーズン初対戦で起用することをもともと決めていたようです。古巣ということで渡辺直人選手に対してイーグルス側もやりにくさがあるだろうという辻発彦監督なりの考えで、相手の嫌なことをやるという意味で辻発彦監督のファインプレーではないかと思います。もちろん則本投手との相性の良さを買った部分もあるでしょうけれど、監督として指導者として一段上の嫌らしさを見せてくれたと考えています。
そして辻発彦監督は「直人には一番サインが出しやすい。だってオレがオレにサインを出すようなもんだから」と語り、エンドランなどの小技のサインを渡辺直人選手に対してはよく出していたようですし、自らの現役時代のダブらせたコメントであるでしょう。これは辻発彦監督から渡辺直人選手に対する最大限の賛辞であると見ています。
2014シーズンにも当時の伊原春樹監督が、エンドランなどのサインを多用した野球に転換しようとしましたが、これは頓挫しました。もちろん伊原春樹前監督の考えが間違っていたとも思いませんし、チームを強化しようと思ってやったことだと思います。ただ小技が効かない選手にまで采配を押し付けてしまったのに対して、辻発彦監督は難しい選手に対してはフリーで打たせたりと工夫していました。今回こそチーム強化のための施策がうまく行ってほしいと思います。



さて渡辺直人選手もすでに36歳となり、もう大ベテランという年齢に差し掛かっています。ですのでライオンズとすればいつまでも渡辺直人選手に頼るわけにはいかないはずで、渡辺直人選手の考えを継承できる後継者をそろそろ育てなければなりません。
渡辺直人選手のプレースタイルとして、12日のイーグルス戦でもそうでしたが2ストライクと簡単に追い込まれた状況下でも簡単にはアウトにならず、際どいボール球を見送り四球なりヒットなりで出塁することとバントやエンドランなどの小技を確実に決めてくれる能力です。これを持ち合わせた選手を見つけて育成するべきでしょう。

現在のライオンズにおいて、後継者として育成できそうなのは左右の違いはあれど源田壮亮選手ではないかと思います。もちろん現段階ですぐに後継者になれるかといえばそうではありませんが、将来的には渡辺直人選手のような打撃技術を習得してほしいと思います。

源田壮亮選手はルーキーということもあるのでしょう、打撃成績はまだふるいません。打率もここまで.206で四球も選べずという状況です。遊撃手として守備では素晴らしいプレーを見せてくれていますが、打撃ではまだまだというところなのでしょう。ただこれは無理もないと思いますし、チーム事情により2番を任されていますが、できれば8番9番といった制約の少ない打順を任せたいところです。

打撃としての課題はもちろん出塁率の向上かと思いますが、ここまでの打席を見ていくと、ストライクボールの見極めはある程度出来ているな、という状況かと思います。打撃タイプもあると思いますが、ここまで38打席で三振が4つなのです。他の選手を見ていくとエルネスト・メヒア選手が35打席で8つ、秋山翔吾選手が42打席で5つという数字で、特筆するべき数字ではありませんが打率を考えると少ないのではないかと思っています。
つまりここまでの源田壮亮選手はストライクゾーンのボールをヒットにする技術がまだ足らないと見るべきなのでしょう。もちろんインコースのボールの捌き方もうまいですし、一二塁間へ引っ張った打球を打つこともできます。ですのでバットコントロールはある程度の技術が出ているのではないかと思います。

ですのであとは速いストレートをどのようにヒットにするかと緩急を付けられた時に、どのように対応していくのか、この2つの技術をしっかりと身につけられるかということになるでしょう。
特に後者の緩急で攻められる時に対策としては、やはりしっかりボールを引きつけてコンパクトに打ち返すことが重要です。やや打ち急ぐ場面も見られますし大きな課題かと思いますが、これができるようになり、今くらいのバットコントロールを持ち合わせてくれば、渡辺直人選手の後継者として育つ可能性は十二分にあると考えています。

山川穂高選手森友哉選手といった長打が魅力の選手も必要ですが、今後のライオンズにおいては渡辺直人選手のような「嫌らしい打者」の育成が必要です。そのためにも渡辺直人選手が将来引退することになれば、ライオンズとしては指導者などのポストとして必ず残すべきでしょう。
FA権を取得し仮に宣言すれば争奪戦になるところをライオンズに残ってくれました。気の早い話ではありますが、引退後もライオンズで選手たちの指導を行って、チーム強化の力になって欲しいと考えています。



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