前にも書いたようにオフの期間に入っているライオンズですが、今シーズンオフは何かと話題が多いようです。
まずは橋上秀樹野手総合コーチが「2017シーズンは聖域を無くす」ということ、「メヒア選手や中村剛也選手にもバントをさせる場合がある」と講演会で発言したようです。これまでのライオンズはクリーンアップの選手に関しては比較的フリーで打たせる場面が多かったのですが、来シーズンは「フォア・ザ・チーム」の意識をクリーンアップにも例外なく持たせるようです。

もちろん橋上秀樹コーチの発言は講演会に来た人たちへのリップサービスの部分もあると思います。ですので実際にエルネスト・メヒア選手中村剛也選手に対してバントのサインを積極的に出すことはないでしょう。あるとしても浅村栄斗選手になるでしょうか。
ただしバントはさせないにしても、これまでのようにチャンスの場面で好きに打たせて三振とか、そういった打撃は許さないということでしょう。例えば仮にアウトになったとしてもランナーを進塁させる、など意義のあるアウトカウントを生み出すということでしょう。

こういった意識こそレギュラーの選手に率先して持たせることに意味があります。例えば秋山翔吾選手、連ぎゅラーの選手が自ら進塁打を打つようになれば、他の選手達の意識も変わるでしょうし、中村剛也選手がランナーを進めるバッティングをすれば若い選手からすれば「中村さんも進塁打を打った」と思うわけです。
そこからチーム全体に「フォア・ザ・チーム」の意識が浸透することで、良い攻撃ができるチームになっていくのだと思います。だからこそ橋上秀樹コーチはこういった発言をし、メディアを通じてではありますが、こういった声が出ているのでしょう。もちろん選手には直接指導しているものと思いますが。

ライオンズはリーグ屈指の強力打線と言われます。中村剛也選手、エルネスト・メヒア選手、森友哉選手、浅村栄斗選手など、リーグ屈指の打撃陣が揃ってはいますが、攻撃の戦略という意味では他球団に遅れを取ってしまっています。例えばホークスやファイターズのクリーンアップの選手たちはしっかりと進塁打を打つ事ができます。その結果として「1点を取りに行く野球」ができています。
対してライオンズは確かにホームランを打てる打線ですので、一振りで1点を取ることは得意とする打線です。しかし野球においてホームランが出る確率は高いものではありません。ですので「1点を取りに行く野球」ができれば、もっとライオンズの強力打線を活かすことができるでしょう。
橋上秀樹コーチを招聘したのはこういった野球を目指したいからですが、残念ながら2016シーズンはできませんでした。ですので2017シーズンこそ「1点を取りに行く野球」を目指して戦ってほしいものです。

そして投手陣ですが、秋季キャンプでは高橋光成投手や多和田真三郎投手などの若手投手が、正しいフォームで歩く練習を繰り返し行なっていたようです。これはラジオ番組で土肥義弘投手コーチが明かした練習、調整法です。普段から自分に最適なフォームの意識付けをすることが目的で、普段の歩行からしっかりとしたバランスを意識させることが目的だと思います。
これによりなかなかピッチングフォームが固まらず苦労した事が減れば、もっともっと自分が持っている力を発揮することができるのではないかと期待しています。

これまでの投手陣はどちらかと言えば投げ込みを重視した練習を行っていました。しかし土肥義弘投手コーチは、その前に体のバランス感覚を身に着けるようにと、これまでの練習法と一味違った練習法です。一見意味が無いようにも思えますが、しっかりとしたフォームを安定させることで故障防止という観点もあると考えています。この投手陣の意識改革がどのような結果となって来るのか、期待したいところです。

辻発彦監督就任後、徐々に選手たちの意識改革が浸透してきています。ライオンズの選手たちは能力は素晴らしいと思います。来シーズンこそはそれを最大限生かせるような采配を期待したいと思います。



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