遅ればせながら金子侑司選手が53盗塁で2016シーズンの盗塁王を獲得し、ライオンズのチーム唯一のタイトルホルダーとなりました。また金子侑司選手にとってはプロ初のタイトルであります。バファローズ糸井選手と盗塁王のタイトルを分け合った形になりますが、打席数が金子侑司選手が520に対して糸井選手は616、打率は同じく.265に対して糸井選手は.306と、つまり盗塁だけを見ると少ないチャンスで53盗塁を決めたと事になり、実質的には金子侑司選手がリーグで一番盗塁技術に長けた選手だったと言っても過言ではありません。
シーズン最終盤では死球直後でも盗塁を決めるなど、盗塁王獲得に非常に高い意識を持っていたこともわかります。盗塁数に関しては怪我なくフル出場できるフィジカルを手に入れることができれば、65盗塁以上は達せきできるほどの力を持っているのではないかと考えています。


さて来シーズンに向けての課題ですが、やはり打撃力でしょう。辻発彦監督の方針によりけりな部分もありますが、今シーズンのように1番で起用し、どんどん足でかき回す役割を果たして欲しいと考えています。そして金子侑司選手の走力で得点圏に進み、同学年である浅村栄斗選手のバットで還す、という野球を目指すべきでしょう。来シーズン27歳となり、野球選手として脂の乗り切った年齢になり、やはり金子侑司選手や浅村栄斗選手中心のチーム作りをしなければなりません。
以前にも書いた通り、まだまだ渡辺直人選手や栗山巧選手といったベテランの力も必要です。しかしながらベテラン中心のチームになってしまえば、今シーズン以上に苦労するでしょう。ちなみにソフトバンクホークスや読売ジャイアンツが優勝を逃した一因が、野手陣の高齢化なのでしょう。

ライオンズとしてはやはり次世代の野手の活躍で、来シーズンは上位を目指したいところで、そのためには浅村栄斗選手ともう1人以上は、レギュラーをバリバリ張る選手の出現を期待したいところです。その1人が金子侑司選手であると考えています。
ただ今シーズンの打率が.265、出塁率.331という数字でした。しかし1番打者として固定する点と、長打がなく単打で数字を稼ぐ金子侑司選手からすれば、この数字ではやはり物足りないと考えるべきでしょう。例えば本塁打が30本打てるのであれば話は別ですが、金子侑司選手は出塁して足で稼ぐトップバッターですから、対応的にはそうではありません。

嶋重宣打撃コーチともに6月頃からは短いバットでのティー打撃練習を取り入れたようです。これはヒットメーカーになるという意思表示と見て良いのではないかと思います。長打ではなく、しっかりとバットにミートさせてヒットを稼ごうという練習です。秋季キャンプではこの練習を繰り返し行うべきすし、怪我なく1年間出場できるだけのフィジカルをバットの振り込みによって身につけるべきでしょう。
また来シーズンは新任のトレーニングコーチで工藤建太コーチというアメフト出身のコーチが入団しました。心身ともにまた違った目線での指導が期待でき、金子侑司選手にとっても体つくりなどでこれまでと違った考えを入れることができると期待しています。

来シーズンの金子侑司選手、盗塁王はもちろん期待しますが個人的には最多安打のタイトルも密かに期待します。身体能力はチーム内でも折り紙つきの金子侑司選手ですが、野球センスに関してもなかなかのものがあると考えています。今シーズンはシーズン中にどうしても走り打ちになってしまい、数字が落ちてしまうことがありました。
来シーズンはこのような打撃のムラを無くし、シーズン通じてコンスタントにヒットを打つことができれば、最多安打も可能性が出て来るでしょう。何しろ左打席では内野安打という金子侑司選手の大きな強みがあります。来シーズンはこれまで以上に出塁して、どんどん走ってクリーンアップのヒットで金子侑司選手が生還するというパターンをしっかりと取ってくれれば、今シーズン以上の安定した得点力が得られるはずです。浅村栄斗選手秋山翔吾選手も含めて、この世代がチームの中心となり来シーズンは優勝を目指し戦ってほしいと思います。



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