2016.06.09 18:00開始 at 西武プリンスドーム

埼玉西武
7-4
読売
【勝利投手】牧田(6勝0敗0S)
【セーブ】増田(3勝2敗10S)
【敗戦投手】山口
(0勝3敗1S)




このゲームの先発はアンディ・バンヘッケン投手と大竹投手という対戦でした。ここまでのアンディ・バンヘッケン投手は6ゲームに先発して3敗、防御率6.59と打ち込まれるゲームが続いています。ここまでの6試合は炭谷銀仁朗捕手とのバッテリーでしたが、このゲームでは来日して初めて上本達之捕手とのバッテリーとなり首脳陣としても環境なり気分を変えて欲しいということもあるのでしょう。
このゲームのアンディ・バンヘッケン投手は立ち上がりの1回表、4番長野選手との対戦で144km/hを記録するなど、140km/hを超えるストレートが見られましたので、不調というわけではないと見るべきでしょう。むしろボールの走り自体は今シーズン一番良いと見ています。
しかしこのゲームでも見られたように、ストライクを取れる球種がほぼストレートしかありません。フォークボールにしても空振りを奪うにはキレが不足していますし、チェンジアップはストライクゾーンに入るものの甘いボールで長打を打たれても不思議ではないボールでした。ただ立ち上がりは高めのストレートで空振りを取れていたように、アンディ・バンヘッケン投手の特徴であるピッチングフォームの緩急は出ていたと思います。

結果として6イニングを投げて110球、被安打8、与四死球2、奪三振5で3失点とQS達成という登板となりました。ただ課題と言われてきている制球力はこのゲームでも課題を露呈し、制球が悪いと言うべきか、ボールが甘いと言うべきか苦しい登板であったとみています。
ただ例えば4回表の大田選手との対戦のように、高めのストレートで凡打を取れたいたという事は、球威はあったということだと思います。ですので今シーズンの登板で一番状態は良かったと思いますが、ジャイアンツ打線の拙い打撃にも助けられたとも言え、この部分を首脳陣がどう判断するかだと思います。パリーグ相手にはおそらく通用しませんが、来週まで交流戦です。来週木曜日のカープ戦でもう1度チャンスを与えても良いとは思います。セリーグのチーム相手であれば6回3失点程度でまとめてくれるようにも思います。
個人的にはこの球威で、6イニングで5つの三振を奪っています。よって短いイニングをしっかり腕を振って投げてくれれば、結果を出してくれるようにも思います。イメージとしてはかつてのアレックス・グラマン投手のように、短イニングを腕を振って投げてくれれば活躍するかもしれません。

さて勝ちゲームでこういったことを書くのはなんですが、このゲームでも守りの痛いミスが2つ出ました。2回表は小林選手のなんでもないサードゴロを金子侑司選手がファンブル、また7−3とリードした8回表1死1塁2塁の場面では脇谷亮太選手のショートゴロを木村昇吾選手がファンブルしてエラーと痛いミスです。2回表の金子侑司選手のエラーは、繰り返しますがポジションをたらい回しにされているので、ある程度は仕方ないでしょう。ただし来シーズンも同じことをやったらいけませんとだけ書いておきたいと思います。
しかし8回の木村昇吾選手のエラーは普通に処理をしていれば併殺打でチェンジとなっていた場面です。併殺打であればこれでチェンジでしたので、登板したエスメルリング・バスケス投手にしてみればたまったものではありません。このおかげで失点してしまい武隈祥太投手を投入することになってしまいます。4点差あったので良いようなもので1点差だったら大変な場面でした。
鬼崎裕司選手がショートで失策を犯したため、木村昇吾選手をスタメン起用したと思われますが、これでもエラーが出てしまいます。この場面ですが直後に亀井選手にタイムリーヒットを許した直後、田邊徳雄監督はバスケス投手を交代させて、武隈祥太投手にスイッチしましたが、ここでショートの木村昇吾選手も交代させるべきではなかったかと思います。これではバスケス投手が悪いような形になってしまいますので、エラーをしたショートの選手を交代させるくらいの厳しさも必要でしょう。
ただライオンズの内野手では名手と言われている永江恭平選手もエラーが出ていますので、ここがチームの痛いところです。しかし永江恭平選手はサードでのエラーが目立ちますから、もう一度ショートに集中させることで変わることができるとは思っています。

さて打線ではジャイアンツ先発の大竹投手に本当に苦しんだと思います。左打者のインコースで風呂んとドアで入るツーシームシュート、右打者には懐に食い込んでくるようなシュートとこれだけ突っ込まれればなかなか打てないでしょう。その中でも6回裏と7回裏の集中打で7点を奪い0−3から逆転に成功します。まず6回裏は先頭の秋山翔吾選手、栗山巧選手の連続2ベースヒットで1点を返します。秋山翔吾選手はインローのストレートを右中間へ、栗山巧選手はアウトローのツーシームを左中間へ同じ左打者ではありますが、1番2番コンビで一味違った打撃で特徴がある打撃です。特に栗山巧選手の左中間への2ベースヒットは大竹投手を攻略する王道の打撃ですが、序盤はどうしても球威のあるストレートのイメージがあるため対応できませんでした。ただこのイニングの大竹投手は80球に差し掛かっており、秋山翔吾選手の対戦でもストレートの球速が140km/hに乗るか乗らないかの球速でした。ですので栗山巧選手はツーシーム(シュート)をしっかりと狙って左中間に運んでくれたと思います。これは栗山巧選手らしいバッティングです。
またエルネスト・メヒア選手のショートゴロでセカンドランナーの栗山巧選手が飛び出してアウトになってしまいますが、ファーストランナーのメヒア選手がなんと盗塁を決めます。エスネスト・メヒア選手の盗塁はNPBではおそらく初だと思いますが、1死2塁となります。まさか走るとは思わない場面で完全ノーマークでしたので、余裕でセーフになります。栗山巧選手が拙い形でアウトになってしまったので大きな盗塁でした。そして2死後、5番浅村栄斗選手はB1−S2から4球目のシュートをレフト前に落として、これがタイムリーヒットになります。これで2ー3と1点差に追い上げ7回裏の逆転劇につながります。浅村栄斗選手のレフト前タイムリーヒットは右打者がシュートを打つには一番理想的な打撃です。食い込んでくるボールを非常にコンパクトなスイングでレフト前に運ぶ打撃です。これを流そうとセカンドへの弱い当たりになってしまうでしょう。これは配球をしっかりと読んで食い込んでくるボールを読みきっての打撃でした。
ただ大竹投手の制球力を考えると6イニングで2得点、これはライオンズ打線としては上出来でこれが限界だろうと思います。それだけ大竹投手が素晴らしかったと思います。

そして7回裏は1死から木村昇吾選手の右中間への2ベースヒットから9番の金子侑司選手は山口投手のスライダーの失投をセンターへの同点タイムリー3ベースヒット、秋山翔吾選手はライトへの勝ち越しタイムリー、そして1死1塁2塁となりエスネスト・メヒア選手がバックスクリーン左への3ランホームランと、ジャイアンツのリリーバー山口投手から素晴らしい繋がりでした。勝ちパターンのリリーバーをここまで打ち込めば相手投手陣のダメージは計り知れないでしょう。
やはり打線の核となっているのは9番の金子侑司選手で、今の好調なチーム状態は金子侑司選手の活躍が大きいと見ています。現状の得点パターンは金子侑司選手から上位打線の繋がりで得点を奪うのがライオンズの得点パターンです。4番の中村剛也選手が不振で打線が切れてしまう場面もありますが、現状は下位から上位へのつなぎの打線でカバーできている点が勝てている原因です。
ただシーズンを通して下位打線が機能することはなかなか考えにくいですので、その時は4番中村剛也選手が打ってくれるはずです。

このゲームはエラーがなければ本当に素晴らしいゲームであったと思います。明日からカードが変わりドラゴンズ戦となりますが、エラーをなくしていいゲーム展開になることを期待したいと思います。
また8回裏の死球で交代した栗山巧選手は心配です。ひとまずアイシングで様子を見るようですが、以前骨折した部分と同じところですので、一度検査することになるでしょう。仮に離脱となれば非常に痛いのですので、何事もないことを祈ります。

さてこのゲームのヒーローは
・8回表満塁の場面での見事な2者連続三振:武隈祥太投手
・一発でゲームを決める3ランホームラン:エルネスト・メヒア選手


でしょう。


※明日からまたゲームビューをお休みしたいと思います。別の話題を更新していきたいと思いますのでおつきあいお願いいたします。



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