2016.03.17 13:00開始 at 西武プリンスドーム 
埼玉西武○5-3●広島東洋
【勝利投手】菊池
【セーブ】牧田
【敗戦投手】岡田


このゲームでは開幕投手を務める菊池雄星投手が先発しました。おそらくオープン戦最後の登板になると思われます。まず結果として6イニングを投げて96球、奪三振7、与四死球3で無失点とまずは結果を出すことができて良かったと思います。ただ少し内容に関して掘り下げていくと、立ち上がりを中心に不安の残る内容であったと思います。
初回1回表は1番田中選手への2球目、左打者の田中選手へのアウトハイへ142km/hのストレートを投げ込んでしまい、レフトへの強烈なライナーが飛びます。ここは栗山巧選手がうまくキャッチをし、事なきを得ましたが左打者に対してのアウトハイは一番長打の危険のあるコースで、なおかつエンジンが掛かっていない142km/hのボールは危険すぎます。慎重になりすぎも良くありませんが、ゲームの先頭打者ですからもう少し慎重になってもいいのではないかと思います。
1回表はエンジンが掛かりきらないストレートを菊池選手に打ち返され、丸選手のサードゴロを渡辺直人選手がファンブルと味方に足を引っ張られた部分もありますが、1死満塁というピンチを迎えてしまいます。ここで5番エルドレッド選手を迎えてようやく菊池雄星投手のギアが入り、初球で151km/hの素晴らしいストレートがようやく出ます。そしてフルカウントからチェンジアップが決まり空振り三振。
6番新井選手に関してはチェンジアップから入りカウントを取り、2球目からストレート4球連投でB2-S2と並行カウントとし、今度はカウントを取るチェンジアップで空振り三振と満塁のピンチを脱します。ストレートを4球続けてチェンジアップで行く配球はなかなか上手いものがあり、新井選手の中で迷いが出ていたことは確かでしょう。
結果的にカウント球になりましたが、ボールゾーンに落とそうとして落ちなかったではないかと思います。3番丸選手まではストレートのエンジンが掛からず、チェンジアップは全体的に抜けるボールが多い中で無失点に抑えてくれましたが、相手打者の調子が上がって来れば失点していた可能性もあるでしょう。エラーが絡んでいるにしろ、少々心配になります。

菊池雄星投手その後は持ち直し、ストレートの走りも良く球速球威も感じられました。次のピンチは4回表無死満塁の場面になりますが、ここも石原選手のセカンドゴロを浅村栄斗選手がファンブルするとう内野のミスが絡んでいますが、下位打線である7番バッターに対してストレートの四球を出してしまったりと、注文が付く場面もありました。
無死満塁のピンチを迎えてしまいますが、9番に岡田投手が入っていた点と1番田中選手との対戦、四球は嫌な場面でストライクゾーンのストレートを当ててくれて助かりましたね。このように味方のエラーもありながら大きなピンチを作ってしまっては凌いだ点を評価するべきなのか、少々不安定な内容を心配するべきなのか、判断が難しいところです。個人的には簡単に片づけたイニングもありましたし、調子自体は悪くなかったと思います。しかし下位打線へのストレートの四球、立ち上がりの不安定さなど少々心配はしています。ただ開幕戦は待ってはくれませんので、あと8日しっかりと調整をしてほしいと思います。

さて2番手で登板した岩尾利弘投手が登板し、7回表の1イニングで3失点と打ち込まれてしまいました。先日の藤原良平投手といい、1イニングでの大量失点となり頭の痛いところでしょう。ただ岩尾投手の場合には外崎選手のトンネルというミスもあり、自責点が1となっています。しかし良い時の岩尾投手と比べればやはり寂しい内容でした。オーバースローの投手でストレートとシュート、ツーシーム系のボールで攻めるわけですから、もう少し球威と球速は欲しいと思います。あとは1番田中選手に四球を出した場面もそうですが、ストレートをワンバウンドさせてしまってはやはり心配になります。リリーバーの1軍枠はまだ空いていますので、岩尾投手の出来は少々残念に思います。

さて野手陣ではこのゲームで記録されたエラーが3つと、これは寂しい数字ですね。これだけエラーでゲームの流れを手放しては敗戦となってもおかしくなかったと思います。このゲームいずれも内野手のゴロ処理エラーで、西武プリンスドームで人工芝の張替があり、バウンドや転がり方が変わり100%ジャスト出来ていない選手もいるかもしれませんが、少々寂しい数字です。気を引き締めて守るべきでしょう。

打線としては1回裏に3点を先制することができ、ゲームの流れをライオンズに寄せることができたと思います。まずは秋山翔吾選手のヒットと栗山巧選手の死球で無死1塁2塁とし、3番エルネスト・メヒア選手の強烈なセンター前ヒットを放ちます。セカンドランナーは俊足の秋山翔吾選手で、ホームベース上の新ルールの中ですが、これだけあたりが痛烈であれば、ホームで生還することは難しいでしょう。
そして無死満塁で4番中村剛也選手はフルカウントから走者一掃のレフトオーバー3点タイムリーツーベースを放ちます。満塁でフルカウントという場面で、ストレートしかないだろうと読み打ちといったところでしょうか。少々ボールが低かったのでホームランにはなりませんでしたが、あれだけの打球が飛べば心配いらないと思います。

その他秋山翔吾選手エルネスト・メヒア選手の猛打賞とこの2名は結果が出ていますし、栗山巧選手も2四死球でノーヒットとヒットはありませんが、打席の内容は良いと思います。
このゲームでもエルネスト・メヒア選手が3番、浅村栄斗選手が5番と、シーズンでのいろいろな事態を想定しているのでしょう。メヒア選手の状態の良さは書くまでもなく、浅村栄斗選手の5番もハマるかもしれません。
浅村栄斗選手の打撃で、以前も書いたことがあったと思いますが、変わってきている部分があります。特に1回裏無死2塁というチャンスではB2-S0からフルスイングしますが、初球2球目の誘い球のようなボール球はよく見ていると感じます。チャンスなので積極的に打っていくのも浅村選手の良さなのですが、今シーズンは一味違う打撃も見られます。
続いて5回裏1死1塁の場面で浅村栄斗選手の打席では、ここはカープ先発の岡田投手が頼れるボールがストレートしかなくなってきたので、ここは初球ストレートと割り切って積極的に行って良い場面であると考えています。結果論になってしまいますし、初球を見送ったことが悪くはないのですが、状況によっては昨年までのような超積極的なバッティングを行っていい場面であるでしょう。この辺りはまだ浅村選手の中で考えが出来上がっていないのでしょうか。

山川穂高選手にしても外崎修汰選手にしても当たりが止まって、なかなかヒットが出なくなってきています。これはレギュラーでない選手たちはキャンプをピークに持っていく必要があり、オープン戦に入ってからの不調や疲労などで当たりが止まることはやむ終えないと考えています。

もちろん今結果が出なくてこれまでの評価が落ちることはなく、開幕までの1週間で今度は疲労を抜き、25日で開幕戦に再びピークの状態に戻す事ができるかが鍵であるでしょう。疲労を溜めこんだまま開幕を迎えてしまえば、結果が出ず1軍定着とはならないはずです。現段階で結果の出ている坂田遼選手も疲労が溜まっていないはずは無いので、開幕戦で再びピークに持っていく事ができるか注目したいところです。レギュラーでない下位打線に当たりが出ていませんのでなかなか大量点は難しいでしょう。
4番中村剛也選手の3打点と渡辺直人選手の1打点、このゲームはベテランの打点で勝ったゲームと言えると思います。レギュラーでない選手の当たりが無い中で、今度はレギュラー、ベテランの活躍でゲームに勝てることはチーム状態は良いのでしょう。菊池雄星投手に少々心配な部分が残りますが、開幕までに調整してくれるでしょう。オープン戦も残り少ないですが、驕ることなく引き続き勝利にこだわったゲームを期待します。

 

 


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